2019 年 75 巻 2 号 p. I_805-I_810
落差部を自由越流する流れは限界水深に対する落差高さ,段落ち上部のフルード数,および相対下流水深の関係によって多様な流況を形成する.特に潜り込み流れが形成される場合,落差下流側における局所洗掘,河床低下防止の視点から各流況の流速特性を把握することが重要である.
本研究では,限界水深に対する落差高さが小さい低落差部を対象に,落差下流面の形状を変化させ,落差下流部に形成される潜り込み流れ(潜り跳水)の流速特性に関する実験的検討を行った.その結果,低落差部下流に形成される潜り込み流れにおいて,主流は下流側まで底面付近に位置し,また,その流速特性に対する落差形状の影響が小さいことを明らかにした.さらに,主流の上昇に伴う流れの拡散によって,底面付近における流下方向乱れ強度のピーク値が存在することを示した.