土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
大礫の間隙に存在する大粒径砂礫が小さな砂に及ぼす遮蔽効果
関根 正人中間 遼太
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_1141-I_1146

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抄録

 本論文では,流水によって移動しない大礫が露出するような河床を対象に移動床実験を行った.河床を構成する材料は移動形態によって,移動しない大礫(L粒子),掃流砂として移動する砂礫(M粒子),浮遊砂として移動する細砂・シルト(S粒子)の三つに分類できる.河床を移動する材料が二粒径粒子からなる条件下で実験を行い,大きな掃流砂礫が及ぼす遮蔽効果によって小さな粒子に作用する掃流力がどの程度低減されるかについて表す関係式を導いた.また,移動する河床材料が三種類の粒径からなる条件下で実験を行い,掃流砂礫が複数粒径からなる場合に中程度の粒径粒子が及ぼす遮蔽効果について調べた.その結果,小さな粒子に作用する掃流力の算定には,掃流される砂礫の中で最大粒径の粒子による遮蔽効果のみを考慮して算定しても問題ないということが示唆された.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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