沖縄サンゴ礁海域特有の流れ場に関する基礎特性解明のための数値実験

抄録

　沖縄サンゴ礁海域は，潮汐によって干出・水没を繰り返すサンゴ礁（外礁）で囲まれ，一部に切れ目（リーフギャップ）が存在するという特徴がある．これまでに，赤土流出や海水温上昇などの環境的側面から多くの研究が行われており，実地形を対象に沖縄サンゴ礁海域特有のさまざまな流れ場の特徴が解明されてきた．しかしながら，その基礎特性に関してはあまり検討されていない．本研究では，与論島東岸を基に作成した地形の複雑さを取り除いた簡単なモデル海域で，外礁高さと平均海面高を種々変化させ，潮汐のみを外力とした数値実験を行った．その結果，外礁高さの変化は残差流構造に大きな影響を与えるが，平均海面高の変化は残差流構造にあまり影響を与えないことがわかった．