2020 年 76 巻 2 号 p. I_1471-I_1476
赤外カメラを搭載したUAV水温観測システムを開発し,気象・海象条件が測定値に及ぼす影響,および広域水温調査への適用性を評価した.御宿の沖合320m地点に水温計と波高計を設置し,同地点の表層水温を複数回測定した.その結果,UAV水温測定値は,水温計の値に対し,有義波高1mで約1.8ºC,2mで約3.1ºC低くなった.これは,波浪による直上方向の見かけの放射率の変化,および波浪の乱流運動によりスキン水温とバルク水温の差が拡大したことが主要因と考えられる.また,沙流川を対象に,2台のUAV水温観測システムによる広域水温調査および船舶による同期観測を実施した.その結果,赤外カメラ間のシステム誤差補正および船舶観測値を参照することにより,広域のバルク水温の絶対値分布を推定できることを示し,船舶調査が不可能な浅海域を含め,沿岸域の表層水温調査に適用できる見通しを得た.