土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
氷板と晶氷が混在した橋脚部におけるアイスジャム氾濫実験
山田 隆司吉川 泰弘小池 太郎横山 洋
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_169-I_174

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抄録

 本研究は,橋脚部におけるアイスジャム現象の解明のために,実河川の現象に近い氷板と晶氷が混在する実氷を用いたアイスジャム実験を実施した.晶氷の影響を明らかにするために,氷板模型速度と流下堆積枚数,高水敷での氾濫範囲,水位水深変動を用いて検討を行った.晶氷を含む場合は,流下する氷板の下に晶氷が堆積して氷同士が固着し大きな塊として流下し,形状抵抗が大きくなる.このため,氷板速度は遅くなり,流下堆積枚数が増加することが分かった.また,晶氷を含む場合は,大きな氷塊となって流下するため,アイスジャム発生後の上流での氾濫速度は速く,晶氷を含まない場合に比べて急激に氾濫することが推察された.最終的な上流での氾濫範囲は晶氷有り無しで同程度であった.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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