土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第65巻
治水安全度向上のための流水型遊水地の試験的設計と数値実験による評価
原田 翔太石川 忠晴赤穂 良輔前野 詩朗
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_457-I_462

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抄録

 河川沿いの狭隘低地に上流側から計画的に越流させ下流側で洪水ピーク後に排水する「流水型遊水地」のケーススタディを行った.福島県須賀川市の阿武隈川堤防と山裾に挟まれた2つの狭隘低地を暗渠で接続し,上流端に天端がHWL+0.5mの越流堰を,下流端に排水樋門を設けて,延長4000m,面積100ha,の流水型遊水地モデルを作成した.続いて断片的に得られている資料をもとに2019年出水の水文条件を推定し,数値シミュレーションにより洪水調節効果と浸水範囲および減水後の排水可能性を検討した.その結果,近傍にある浜尾遊水地が満杯となった後のピーク流量低減に効果を持つことが示された.同様の狭隘地形を遊水地群として利用することにより超過洪水のさらなる調節効果が期待できると考えられた.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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