土木学会論文集B1(水工学)
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水工学論文集第65巻
令和元年東日本台風による入間川流域の堤防決壊が堤内地氾濫量および下流の流量ハイドログラフに与えた影響
五十嵐 善哉田中 規夫
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_637-I_642

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抄録

 令和元年東日本台風は東日本の広範囲に記録的な豪雨をもたらし,荒川水系の都幾川で4箇所,越辺川で2箇所の堤防が決壊した.今後の河道管理において,上下流バランスを考慮してリスク箇所を改善するためには,台風19号における河川と氾濫原の間の氾濫水のやりとりを把握する必要がある.そのため,都幾川と越辺川の堤防決壊が氾濫量や下流の流量ハイドログラフに与える影響を検討した.

 越辺川0.0k右岸の堤防決壊時刻と堤防決壊プロセスは,堤内地の氾濫量に大きく影響した.越辺川支川の大谷川の内水氾濫も考慮すると,12日24時から3時間程度で堤体が流失したケースで最も実績の氾濫量と近くなった.堤防決壊が下流のピーク流量に与える影響は小さかった.これは台風19号の降雨継続時間が洪水伝播時間より長かったためだと考えられる.

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