2021 年 77 巻 2 号 p. I_1285-I_1290
本研究は,降雨継続時間内雨量と洪水到達時間内雨量の生起確率を掛け合わせた複合確率を算出し、72時間総雨量,短時間総雨量(8時間)の両面から降雨の生起確率を評価する手法を提案した.降雨の確率評価は大量アンサンブル気候データの過去実験結果の年最大降雨量で行い,洪水到達時間は同データを用いた流出解析によるピーク流量と各降雨継続時間内の累積降雨量の相関関係等から設定した.大量アンサンブルデータを用いた複合確率により降雨波形を評価することで,実績の総雨量のみによる確率評価では把握することができなかった高頻度・高浸水リスクが想定される降雨の存在を示した.