2021 年 77 巻 2 号 p. I_1453-I_1458
農業用水を対象とした一次元開水路解析を支援するため,個々の農地区画と末端水路を含むメッシュ作成や計算結果の可視化を,GISを用いて行う手法を開発した.本手法により次のことが可能である.(1)GIS上で水路を描画すると,水路間の接続や水路と農地の接続を自動判定し解析モデルの一次元メッシュを生成する.(2)メッシュと同時に生成した節点シェープファイルを用いて解析結果をGIS上で可視化する.(3)各農地の水需要を水路系統に沿って集計する.本手法を農業用水路と排水路の2現場に適用したところ,特に水路と農地区画の接続を自動判定する機能が有用であった.本手法により,全水路を一次元解析の対象とし個々の農地を考慮した水理計算が容易となり,用水路・排水路解析ともに,末端水路に沿った水路水位や水田水深の変化を再現できるようになった.