2021 年 77 巻 2 号 p. I_385-I_390
従来より橋脚周りの局所洗掘による橋脚の安定性評価に必要となる最大局所洗掘深さの推定式は,一定の通水位条件下での実験結果に基づいており,実河川での水位履歴のような水位の上昇・下降を考慮する場合への適用性は定かではない.そこで本研究では,円形橋脚模型を対象に,通水位の変動を繰り返すことによる橋脚周りの局所洗掘の進行に与える影響の把握を目的とした通水実験を行った.
その結果,通水位の変動の繰り返し作用により,局所洗掘深さおよび局所洗掘延長は増加するものの,これらは繰り返し回数を重ねることで一定値に収束することが明らかとなった.また,橋脚上流方の局所洗掘延長は,局所洗掘深さと水中安息角より算出される理論値よりも1.1~1.3倍程度大きな値となった.