2022 年 78 巻 2 号 p. I_1195-I_1200
小池ら1)は39時間の予測リードタイムを持つアンサンブル予測結果を用いて,洪水防御面と発電効率の両立を図る研究を行い,それが可能であることをシミュレーションで示した.同システムへ新たにアンサンブル3ヶ月予測を追加するため,予測情報をある一定期間の総流入量として用いることを提案し,その期間の長短が予測精度とダム操作支援へ与える影響を調べた.その結果,長すぎる期間で算出した総流入量を用いた場合は,貯水池運用を効率化できないことが分かった.暖候期と寒候期に分けて適切な期間を設定して行ったシミュレーション結果として,年間で6.0%の増電が可能であることを示した.