2022 年 78 巻 2 号 p. I_349-I_354
Seeder Feeder機構は,上層からの雨滴が下層の雲の中で雲粒を捕捉して,降雨強度を強める現象であり,山岳域での降雨強化原因の1つとされていた.しかし,令和元年台風19号では,山岳域に加え,平地でもSeeder Feeder機構が確認されたとの報告がある.本研究では,台風19号において,箱根周辺の山岳域および関東平野それぞれに対して,立平モデルを用いた地形性降雨算定手法を用いることで,背の低い雲でSeeder Feeder機構が降雨強化に寄与したか計算した.計算の結果,山岳域・平地ともにSeeder Feeder機構による降雨強化が発生したことが分かった.本研究は,今後も発生する可能性のある「浅い対流を含んだ層状性降水による豪雨」の更なる検証に繋がるものであると考えている.