2022 年 78 巻 2 号 p. I_367-I_372
本研究では関東域の2006~2020年の15年間の夏期を対象として,全国合成レーダGPV(以下,GPV)とAMeDAS地上雨量計(以下,AMeDAS)の雨量データを用い,時空間分布を流域ごとに分析した.GPVとAMeDASの傾向分析の結果,日雨量については階級ごとに傾向が異なっていた.一方,時間雨量,10分雨量については階級毎の相違は認められなかった.AMeDASによる地点雨量の結果をティーセン支配面積に代表することは,困難であることが示された.さらにGPVとAMeDASによる各年の夏期最大流域平均雨量データを比較することで,レーダ雨量計の河川計画への適用性を検討した.その結果,GPVとAMeDASの分布は概ね同様の特徴であることが明らかとなり,レーダ雨量計を河川計画に適用することが可能であると評価できた.