土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第67巻
スパースセンサ最適化を用いた大次元力学系における有効な観測位置決定手法の開発
齋藤 匠小槻 峻司Mao OUYANG塩尻 大也
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_391-I_396

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抄録

 数値気象予測において,観測情報は予報誤差低減に重要な役割を果たす一方,観測位置を最適化する手法は未確立である.近年,PODモードと観測値を用いて場を復元する方法や,復元される場のスパース性に着目し,フィッシャー情報行列Fを最大化するスパースセンサ位置最適化(SSP)手法が提案されている.本論文では大次元力学系に適したSSP手法を検討し,SSTを用いた数値実験により提案手法の妥当性を考察した.場の復元にデータ同化を新たに応用し,精度改善に成功した.更にSSPにモードのみを用いた場合と,モードと特異値を考慮した場合を比較し,特異値を考慮した観測位置決定では上位モードが優先されることを示した.Fの最大化の解釈として,Fの行列式最大化とFの逆行列対角和の最小化を検討し,後者が適することを示した.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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