土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第67巻
125河川の水位予測システムを構築する中で生じた問題に関する考察
沼田 慎吾柿沼 太貴望月 貴文久保田 啓二朗小池 俊雄池内 幸司
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_397-I_402

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抄録

 中小河川の水位予測システム構築時において,生じる問題の解決策を類型化するため,全国125河川の水位予測システムを構築した.構築する中で,(1)解析雨量の仕様の影響により小流域の水位波形の再現性が低い,(2)降雨プロダクトの精度が原因となり水収支が一致しない,(3)HQ式の精度低下により低水の再現性が低い,といった問題が生じていた.これらの問題の解決策として,(1)時間解像度のより細かい降雨プロダクトの使用,(2)他の降雨プロダクトの使用,(3)横断図修正によるHQ式の再作成,を提案した.特に降雨プロダクトの精度については,河川の空間的な位置や洪水時の降雨分布などに影響されるため,水収支の確認や地上雨量との比較を行い,適切な降雨プロダクトを選択することがモデル作成の観点から重要である.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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