2022 年 78 巻 2 号 p. I_403-I_408
流域の特性上,急激な水位上昇が起こりやすい中小河川におけるリアルタイム水位予測システムの構築に向け,表面流・中間流・河道流のような時定数が異なる流出過程を表現する降雨流出モデルに粒子フィルタを適用した際の応答特性について検討した.その結果,水位上昇時において粒子フィルタによる斜面水深に対する負の補正が働いた場合,流出の時間遅れによって予測水位が低下することが分かった.また,粒子フィルタの補正係数を逐次修正するアルゴリズムを加え,初期分布の与え方を変えることで予測水位の精度低下を改善できることを示した.