2022 年 78 巻 2 号 p. I_415-I_420
近年,再現期間の長い降雨が頻発し,都市域における浸水害のリスクが高まっている.地下空間は浸水害に脆弱であるため,地下空間における浸水害リスクとその対策について把握する必要がある.本研究では,1mメッシュ標高データを用いた神戸市街の浸水計算と三ノ宮駅にある地下空間の浸水計算を連結し詳細な地上地下一体型の解析を行い,地下空間については標高データの有無によって浸水状況の微妙な変化をとらえることが重要なことを明らかにした.また,地下空間での避難シミュレーションを実施し,社会的距離が避難時間に与える影響についての評価を行い,コロナ禍における避難リスクの変容についても明らかにした.