土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第67巻
空間極値統計を援用した地点と地域の極端降水現象の相関表現
西尾 春人井上 亮
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_463-I_468

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抄録

 地域の平均降水量の極値の分析方法の一つであるAreal Reduction Factorsは,地点と地域の極値降水量の比は表現できるが,地点と地域で極端な降水現象が発生する期間の関連性は表現できない.本研究は,極値降水量の発生期間に関する地点間の相関を表現可能な空間極値統計を援用し,地点と地域で同時期に極端な降水現象が起こる可能性の大小を表現する方法を提案する.この提案方法によって表現できる極端な降水現象の特徴を確認するため,日本近辺・長期間の気候シミュレーションデータであるd4PDFの過去実験データ1,200年分を用いて,地点と地域の相関を表現した.その結果,提案手法では同期間内に地点と地域で発生する極端な降水現象の確率年の類似度を表現できることを確認した.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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