2022 年 78 巻 2 号 p. I_493-I_498
環境省と気象庁では,熱中症予防行動を促す情報としてWBGTを用いた「熱中症警戒アラート」を提供している.しかしながら,提供されるWBGTは点情報であるため,どの程度の空間代表性を持つか定かではない.そこで本研究では,WBGTを面的に評価するために,ひまわり8号の水蒸気バンドを含む輝度温度情報と標高値を考慮したWBGT推定式を提案した.その結果,首都圏75地点でWBGT地上観測値とのRMSE平均値は約2.0℃で評価できることが示された.特に先行研究で推定精度が低い原因と指摘されていた標高の高い地域や薄い雲が存在する時間帯の精度が改善した.