2022 年 78 巻 2 号 p. I_487-I_492
著者らは,長年,中小河川計画の手引き(案)に掲載されている適合度評価に関わる手順には不適切な点があるので,同文書を改訂すべきと主張している.我々の主張は学術的には正しいのだが,同時に行政の都合,つまり「施策の継続性ゆえ,この手の手法をすぐには変えられない」というのも理解はできる.そこで,本論文では従来からの手法を元にした手法を継続的に用いる場合に考慮すべき論点を提示したい.特に,3母数の確率分布や江藤らの分布のSLSCについて詳述する.最後に,我々の今までの知見を集約した母数推定・適合度評価のガイドラインを示したい.