土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第67巻
広域降雨流出氾濫モデルによる浸水分布の推定 - 地形補正の効果検証 -
佐山 敬洋山田 真史菅原 快斗近者 敦彦関本 大晟山崎 大
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_565-I_570

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抄録

 日本全国を対象に空間解像度150mで構築したRainfall-Runoff-Inundation (RRI)モデルを用いて,広域の降雨流出氾濫解析における河道断面の反映と地形補正の効果を分析した.対象イベントは2020年球磨川豪雨と2019年東日本台風とした.矩形断面を設定したケースでは球磨川の浸水域を過小に評価した.一方,断面を反映し周辺の地形を補正することで,実現象に近い河道水位と浸水域を再現した.数値標高情報に含まれる河道断面の影響を一旦除去し,周囲の氾濫原と同程度の標高に調整したうえで,モデルに河道断面情報を反映することが水位や浸水の再現性にとって重要であった.2019年東日本台風の事例では,上記の反映に加え,支川合流部の簡易な水門モデルと平野部の流出パラメータ設定が重要であった.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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