2022 年 78 巻 2 号 p. I_607-I_612
粗度要素を底面に敷き詰めた幅の狭い(b/h=1.41)開水路粗面乱流の三次元数値実験により,流れ構造と浮遊粒子を付加した場合の乱れ構造の変化を調べた.密に配置された粗度要素の近傍では主流速・二次流速度分布は歪むが,これより高い位置では縦断的な変化は小さい.レイノルズ応力勾配と圧力勾配の不均衡に起因して形成される二次流セルが,粗度要素を乗り越える流れ及び粗度谷部に潜り込む流れと重なり合うことにより,二次流速度分布は縦断的に変化し,二次流速度の大きさは開水路滑面乱流場に比べ大きくなる.また,浮遊粒子の存在により底面コーナーにおいて速度変動によるレイノルズ垂直応力の輸送が抑制されること,これに伴い二次流速度の大きさが小さくなる機構を示した.