2022 年 78 巻 2 号 p. I_649-I_654
国土交通省が検討を進めている粘り強い河川堤防の強化工法の一つである表面被覆型は,堤体表面を被覆材で保護する工法である.堤防裏法面においては,吸出し防止材やブロック等で被覆する構造となっているが,ブロックの安定性を検討するうえで越水時の裏法面の流れは射流であり,ブロックに作用する流体力の評価が難しいという課題がある.そのため,本研究では,ブロックの表面突起形状を変えて,越流水によりブロックに作用する流体力を計測する実験を行った.その結果,突起に傾斜を設けたり,突起高を小さくすることで,抗力は小さくなるが,揚力は逆に大きくなることが確認された.また,ブロックに作用する流体力は,従来の水理特性試験から得られた係数を用い,護岸の力学設計法の算出式より求めた流体力よりも大きな値となり得ることを示した.