2022 年 78 巻 2 号 p. I_733-I_738
気象シミュレーションの精度向上には建物屋根面アルベドデータが不可欠である.本研究では個々の建物屋根面アルベドデータを取得するため,5バンド測定可能なマルチスペクトルカメラをヘリコプターに搭載し,得られた空撮画像からアルベド推定を試みた.また,16バンドで測定されたWorldView-3画像からもアルベドを推定して比較するとともに,実際に5つの建物屋根面で直接測定したアルベドデータを用いて精度検証を行った.その結果,空撮画像から詳細な屋根面アルベド分布を取得することに成功したが,WorldView-3より小さくなる傾向が見られた.少ないバンド数や撮影時期が冬季であったために一部の建物屋根面により高層な建物の影が落ちたことがアルベド過小評価の要因の一つであることが確認された.