抄録
第二海堡は,明治期後半に建設された東京湾中央部に位置する軍事要塞跡である.要塞はコンクリート,煉瓦,石材,土により建設された土木構造物(地盤構造物)である.築造100年を経過している近代遺産であるが,軍事施設であるため設計・施工や完成断面などの建設記録が残されておらず,耐久性の検討を行うことが難しい状況にある.本稿は,第二海堡における煉瓦の特徴をとりまとめ,周辺類似施設と比較することで,明治期の東京湾砲台群建設における煉瓦の調達の関係を考察し,材料の特定に必要な煉瓦構造物の建設年次および材料調達を推測した.