抄録
2003年の道路構造令の改正により,往復分離2車線横断面が自動車専用道路(自専道)の構造として採用できることとなった.本構造は従来の多車線横断面に比べ建設コストの縮減が見込まれるものの,実現する速度性能は不明確であり,道路交通状況によっては求められる速度サービスが確保できない恐れもある.
本論文では,2車線自専道の性能照査型計画設計を念頭に置き,車両感知器データ等を用いて交通量―速度関係(速度性能曲線)について分析する.まず,大型車混入率や降雨などの速度への影響要因を定量的に明らかにする.そして,それらの結果をもとに速度性能曲線を定式化し,これを用いた性能照査手法を提示する.これにより,速度性能の観点から2車線自専道構造の導入の可否や,更なるコスト縮減の可能性について検討することが可能となる.