2011 年 67 巻 5 号 p. 67_I_1113-67_I_1125
本研究では,首都高速道路におけるETC-ODデータを用いて短期的な将来のOD交通量を予測する方法の提案を行う.具体的には,蓄積されたETC-ODデータをベイジアンネットワークにより学習し,確率的に短期的な将来OD交通量を予測するものである.構築したモデルを用いて,まず,その予測値の出力方法の違いと予測対象時間の違いによる予測精度の違いを考察した.次に,ODペアが持つOD交通量の変動特性の違いと予測精度の違いについて検証し,OD交通量の変動が大きいODペアでは時間帯別平均OD交通量よりも提案したモデルの方が予測精度を改善できることが分かった.また,ODペア間の交通状況として旅行時間情報をOD予測モデルに加味することで,予測精度が更に改善されることが明らかとなった.