抄録
中心市街地商店街のような地区コミュニティでは,商店主や周辺住民をはじめとするコミュニティ内外の関係主体間でしばしば何らかの計画を策定することとなり,そのために主体間で交渉が繰り返されることがある.本研究では,ある商店街コミュニティにおける主体間のコミュニケーションプロセスを観察し,交渉的局面が顕在化する状況を捉えるとともに,各主体の利害得失を複数の項目に分解することで交渉的局面の転換とその要因を導き出した.そして,交渉的局面の転換とその要因の組合せを導出することが,難航する交渉の打開策の検討に応用可能であることを示した.