2012 年 68 巻 5 号 p. I_1149-I_1154
エコドライブによるCO2削減効果は既に多くの研究により確認されているが,エコドライブが交通の円滑性にどの様な影響を及ぼすかについては定量的に示した研究は少ない.エコドライブ実施車の車両挙動が,非実施車のそれと異なるならば,エコドライブ車が交通流の中に存在することによって交通特性が変化し,交通運用の上でこれまでの知見が当てはまらない可能性も考えられる.そこで本研究では,エコドライブ実施時と通常運転時とで,交通の円滑性に関係する車両挙動がどの様に異なるかを走行実験によって検討した.その結果,エコドライブ中は加速時・減速時ともに加速度の絶対値が小さくなること,巡航時の車間距離が伸びることが確認された.それに対し,発進時の反応時間と停止時の車間距離については通常運転中と変わらないと考えられた.