抄録
近年,世界的規模でコンテナ貨物が急増する反面,貿易不均衡が拡大し,空コンテナの過不足問題が深刻化している.その緩和策の一つとして期待されるのが,折りたたみコンテナの導入である.しかし,折りたたみコンテナはすでに開発されているものの,未だ実用化されていない.その理由の一つは,折りたたみコンテナの経済性が必ずしも周知されていないことであろう.そこで本研究では,港湾背後地でのトレーラによる空コンテナの集配送に注目し,折りたたみコンテナの導入によるトレーラの使用台数と走行距離の削減における有用性を,数理計画モデルを用いて検討する.その結果,折りたたみコンテナの導入は一般のコンテナよりも,空コンテナの回送の効率化に対して,一定程度の効果があることがわかった.