抄録
近年,地方自治体が公共交通計画を策定することが求められている.その構想や基本計画段階では,公共交通サービスの持続可能性や供給するサービス水準,運行形態などの概略的な検討が必要となるが,そのためには潜在的な利用者数を把握することが有用である.その際,簡易な四則演算で潜在的な利用者数を導出できる手法があれば,地方自治体の担当者にとって実用的である.そこで本研究では,地方の定時定路線型の路線バスを対象とし,サービス圏内人口に原単位を乗じて潜在的な利用者数を算出できるようにするために,その原単位を推計する.その際,観測された乗降客数が推計した原単位でどれだけ再現できるかについて,様々な市町村を対象に実証的に検討する.