2013 年 69 巻 5 号 p. I_57-I_65
地方都市において,健康を動機付けとしたモビリティマネジメント(健康MM)による通勤社会実験を実施した.その結果,実験以前から自転車あるいは徒歩による通勤を実施しているか否かにより,自転車・徒歩通勤の頻度は大きく異なることが明らかとなった.この違いを考慮した環境・健康促進効果は,CO2削減効果が43%~70%,高血圧症発症リスク,および,2型糖尿病発症リスクの削減効果が10%~19%期待できることが示され,地方都市における健康MMは,環境・健康の両面において一定の効果が期待できることが明らかとなった.しかしながら,自転車・徒歩による通勤頻度が半数に満たない参加者が約4割に上り,自転車・徒歩による通勤頻度の増加が課題となった.このため,対策として就業開始時刻の変更などについても検討した.