2013 年 69 巻 5 号 p. I_869-I_879
羽田空港は2010年の再拡張により交差する4本の滑走路を同時運用する方式となった.その際,空域の運用制約から「方面別滑走路」方式が採用され,また滑走路上においても離着陸が相互従属運用となった.これらの運用制約や特性は航空機遅延に対して大きな影響を与える.本研究では,これら羽田空港の滑走路運用特性に起因した航空機遅延に関して,方面別滑走路制約の有無による遅延量変化をシミュレーション分析し,さらに数理最適化手法を応用した離着陸便数配分手法による遅延軽減方策について検討を行った.その結果,方面別滑走路制約の解消および羽田空港の処理容量特性を踏まえた離着陸便数配分の最適化による遅延軽減効果を定量的に示した.