抄録
地球環境問題は深刻化の一途をたどり,根本的に新しいアイデアを導入しなければその抜本的改善は期待できない.特に関係主体の行動を変えてしまうような新たな仕組みの発案が強く期待される.折しもわが国では地方分権が進み,中央政府から自治体に降りてくる裁量と責任が,地球環境問題解決に向けて的確に果たされる必要がある.本研究では自治体が自らの努力で環境バランスを達成すべく住民と行動する上で参考となる新たな試論を提案する.具体的には環境バランス指標を達成するために,市町村の再編と財源の流動化をあわせて検討する仕組みを提示した.その評価指標にはエコロジカル・フットプリント指標等を利用し,茨城県内の全44自治体に適用を行った.その結果,茨城県は16の環境バランスエリアと10の環境バランス未達成のエリアとに再編された.