抄録
近年,日本では自動車中心社会の進展によるエネルギー消費量の増加が問題となっている.この問題を解決する手段として,一人当たりのエネルギー消費量が少ない都市形態であるコンパクトシティへの誘導が有効とされている.本研究では,個人のエネルギー消費量を削減することが可能な都市形態,および交通サービス体系はどのようなものかを分析することを目的とする.ここでは,熊本都市圏における2030年の人口をベースとして,人口集約の方法が異なる3つの都市圏構造シナリオを想定し,エネルギー消費量の比較を行った.その結果,公共交通輸送サービスの利便性が高い交通拠点とその周辺地域に人口を集約し,その間を公共交通機関でサービスする多極連携型が最も効果が大きいという結果が得られた.