土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
71 巻, 2 号
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和文論文
  • 村上 大輔, 堤 盛人
    2015 年 71 巻 2 号 p. 31-43
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
     サンプル(標本)の適切な抽出方法の設計は,統計学における大きな関心事の一つである.空間データを対象とした空間統計学の一種である地球統計学においてもその重要性は同様であり,サンプル地点の配置の議論が近年活発化している.本研究では地価公示・都道府県地価調査における標準地・基準地の選定の問題,本稿では特に削減の問題を例に,地球統計学に基づくサンプリングデザインの方法の応用を試みる.まず,標準地・基準地がどのように選定されているかを概観する.次に,地球統計学の関連研究を簡単に整理した上で,地価公示・都道府県地価調査の主旨に整合したサンプリングデザインの方法を提示する.最後に,提示した方法を用いて茨城県内の地価公示と都道府県地価調査における標準地・基準地の地点を削減する問題を解きその有用性を確認する.
  • 呉 明暢, 兵藤 哲朗
    2015 年 71 巻 2 号 p. 44-56
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
     近年,自動車の燃費目標基準の強化や,環境意識の高まり,メーカーの技術革新により,新車販売車燃費は年々向上している.その一方で,利用者が実際に運転するときの燃費(実燃費)が,販売燃費と大きく乖離しているという指摘も多い.それは実燃費が運転環境や,自動車属性及び走行距離に大きく依存するためだと考えられる.そこで,以上の要因が実燃費に与える影響を把握する必要性が高まっている.しかし,従来日本国内で行われている自動車燃費消費に関する研究では,公的な大規模データを用いた自動車燃料消費に関する研究は少ない.以上の背景をふまえ,本研究は,2006年より継続実施されている国土交通省の『自動車燃料消費量調査』のデータを用いて,運転環境や自動車属性,走行距離と実燃費の関係を,ガソリン車と軽油車に分けて分析する.
  • 山田 忠史, 里内 俊介, 谷口 栄一
    2015 年 71 巻 2 号 p. 57-69
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
     原材料の調達は,製品の生産に不可欠であり,製品の流通にも影響を及ぼす.本研究は,行政側の物資流動発生メカニズムの把握や,企業側のサプライチェーン設計に資することを目指し,複数の階層に渡る原材料業者の行動を考慮したサプライチェーンネットワーク均衡モデルを提案する.製造業者,卸売業者,小売業者,消費市場,物流業者の分権的な意思決定や行動の相互作用を考慮した既存モデルに,複数の多階層に渡る原材料業者の意思決定を組み込む.モデル化の際には,上流から下流へと至る原材料の変形や,原材料から製品への変形を考慮し,原材料の代替性の有無や程度が考慮可能な生産関数を採用する.このモデルを用いて生産施設の被災がサプライチェーンに及ぼす影響などについて,基礎的な数値計算を行う.
  • 水谷 大二郎, 貝戸 清之, 小林 潔司, 秀島 栄三, 山田 洋太, 平川 恵士
    2015 年 71 巻 2 号 p. 70-89
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
     近年,社会基盤施設に対する統計的劣化予測手法が急速な発展を遂げている.これらの劣化予測手法では,劣化の進展を離散的な健全度で評価した点検データを用いることが多い.しかし,劣化に対し健全度を判定する際の基準(以下,判定基準)が,当該施設の管理期間中に変更される場合がある.その場合,従来の統計的劣化予測手法を適用することはできない.本研究では,判定基準変更前後の健全度の対応関係をモデル化し,判定基準変更後の新基準健全度で定義されるマルコフ劣化モデルとの混合モデルとして,隠れマルコフ劣化ハザードモデルを提案する.また,同モデルをMCMC法によりベイズ推計する方法論を提案し,高速道路のトンネル照明灯具を対象とした適用事例を通じて,実務への適用可能性と有効性について考察する.
  • 相川 航平, 溝上 章志, YIN Yanhong
    2015 年 71 巻 2 号 p. 90-100
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
     近年,日本では自動車中心社会の進展によるエネルギー消費量の増加が問題となっている.この問題を解決する手段として,一人当たりのエネルギー消費量が少ない都市形態であるコンパクトシティへの誘導が有効とされている.本研究では,個人のエネルギー消費量を削減することが可能な都市形態,および交通サービス体系はどのようなものかを分析することを目的とする.ここでは,熊本都市圏における2030年の人口をベースとして,人口集約の方法が異なる3つの都市圏構造シナリオを想定し,エネルギー消費量の比較を行った.その結果,公共交通輸送サービスの利便性が高い交通拠点とその周辺地域に人口を集約し,その間を公共交通機関でサービスする多極連携型が最も効果が大きいという結果が得られた.
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