2015 年 71 巻 5 号 p. I_221-I_228
本研究では,札幌市の「都市計画基礎調査」データに空間解析を適用して得られる当該住宅や周辺住宅の立地特性値から,住宅の立地パターンを推定するモデルを開発した.まず,立地パターンとして,「出現と非出現」および「消失と非消失」における立地特性値の差について明らかにした.次に,差が見られた立地特性値を用いて非線形SVMによる「出現・非出現」および「消失・非消失」の判別を行ったところ,前者では77%,後者では83%の判別成功率が得られた.さらに,札幌市北区を対象に,本モデルを用いて,現状のまま住宅立地が進む場合の将来住宅分布の予測を行ったところ,都心近郊と郊外部では住宅の立地が集中する一方,その中間部では古い住宅が残る,すなわち居住地の2極化が生じる可能性が示された.