土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第32巻(特集)
災害危険区域における集落内規模の防災移転の財政的実現可能性の検討
梶本 涼輔加知 範康塚原 健一秋山 祐樹
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2015 年 71 巻 5 号 p. I_367-I_374

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抄録
本研究では,近年の降雨強度の増大により多発する土砂災害を対象に,生活の変化が小さい集落内規模の距離での災害危険区域から安全な地域への住居移転が,地方自治体の財政的に実現可能か検討した.具体的には,「移転先での住宅の整備費用の補助」を「移転元で削減されるインフラ維持管理費用,土砂災害復旧費用」で賄うことができるかを検討した.既存統計では災害危険区域内の詳細な住居等の情報が少ないため,居住者情報や建物情報が含まれている「建物ポイントデータ」を用いた.土砂災害の発生件数の多い九州地方で適用した結果,九州地方全ての移転元メッシュのうち約2割が土砂災害危険区域からの集落内防災移転の財政的実現性があることが明らかとなった.
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© 2015 公益社団法人 土木学会
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