土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(応用力学)論文
応力を指標とした掘削土留め工の盤ぶくれ挙動の解釈と弾性論に基づく予測手法の提案
松丸 貴樹冨田 佳孝牛田 貴士
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2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15034

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抄録

被圧帯水層を有する難透水性地盤で仮土留めを用いた掘削工事を行う際には盤ぶくれの検討が必要であり,土留め壁の根入れ長は盤ぶくれに対するつり合い安定検討の結果に依存することが多い.本研究では 2 次元土-水連成有限要素解析で得られた間隙水圧や有効応力の変化について考察を行い,解析で得られた難透水層地盤での応力挙動をもとに,盤ぶくれに対する安定検討手法としての活用の可能性を示した.また,有限要素解析に代わる応力挙動の予測手法として,古典土質力学に基づく地盤内応力算定手法を掘削底面地盤の応力予測に活用する手法について検討を行った.地盤内応力算定手法によって有限要素解析で得られた難透水性地盤での鉛直・有効応力を概ね評価できることが確認され,盤ぶくれ発生の予測手法としての適用が期待できることがわかった.

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© 2024 土木学会
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