2015 年 71 巻 5 号 p. I_547-I_558
スマートフォンによるプローブパーソン調査は,個人の交通行動を効率的かつ継続的に把握できる調査手法として実務展開が期待されている.本研究では,プローブパーソン調査の高度化を目指して,スマートフォンのGPSや加速度センサにより取得される移動履歴データから移動手段を判別する手法を開発する.実用化を念頭に置いた判別手法を提案し,実際のスマートフォンによるプローブパーソン調査で収集された移動履歴データに適用して判別精度を検証した.開発手法では,不特定多数の被験者による多様なスマートフォンの利用状況下で得られた移動履歴データを用いても,高い精度での判別が可能であることを確認できた.ここでの検証結果を踏まえ,本手法の有用性と調査の高度化の方向性について述べる.