2015 年 71 巻 5 号 p. I_725-I_736
全国新幹線鉄道整備法が制定されて40年以上経過し,当初構想の全体ネットワークも徐々に建設されつつある.だが現在の日本の幹線鉄道整備は欧州諸国とは異なり,原則として高速新線の建設しか手段として持たない.ミニ新幹線やスーパー特急などの整備手法についても整備計画路線の暫定整備手法として存在するほか,既設線における速度向上も補助的な手法としては考えられるものの,果たしてこれら手法を組み合わせて,どの程度の改善が可能なのかは明瞭ではない.
本研究では,2010年時点の路線網と工事中路線が完成した状態を基準とし,2040年を想定した旅客流動を前提にGAを用いて最適な幹線鉄道網を探索した.その結果,整備スキームを改善することで地域間交流を拡大できるとともに多様性を向上できることがわかった.