抄録
本研究では,抜け道交通問題を解決する対策として,欧州で普及する「ライジングボラード」に着目した.著者らは既存研究において,日本でライジングボラードの普及が進まない要因である,安全性の懸念に由来する管理者の負担を軽減するために,ソフトな素材による独自のライジングボラードを提案している.本研究では,このソフトライジングボラードを使用し,公道において,国内初の導入社会実験を行い,その装置の安全性,四輪自動車の交通規制遵守促進への有効性,及び受容性について検証を行った.実験結果から,導入前後において違反通行車両数の減少が確認された.また,歩行者,周辺店舗等へのアンケートから,導入に対しての肯定意見が多く得られたことから,ソフトライジングボラードの有効性,普及可能性が示された.