2021 年 33 巻 4 号 p. 329-337
症例1:69歳男性,関節リウマチ(RA)患者.糖尿病があり,インスリン導入後,エタネルセプト(50mg/週)を導入し,寛解を維持していた.その後シタグリプチン導入により,インスリンは中止した.エタネルセプトの効果減弱のためゴリムマブ(100mg/4週)に変更したが効果不十分でトシリズマブ(TCZ)皮下注(162mg/2週)に変更し7年間寛解を維持していたが,TCZ二次無効となり,サリルマブ(SAR, 200mg/2週)に変更した.変更後RAの活動性と共に,HbA1cも改善した.症例2: 56歳男性,RA.アダリムマブ(40mg/2週),メトトレキサート(MTX, 16mg/週)などで低疾患活動性を維持していたが,コストが高いために治療を中断し,約1年後に再燃したため受診した.コストを考慮し,プレドニゾロン5mg/日とMTX16mg/週,TCZ皮下注(162mg/2週)を開始したが,TCZ皮下注で激しいめまいが出現し,SAR(150mg/2週,その後200mg/2週)に変更したところ治療継続が可能であった.SARはTCZ二次無効,TCZ副作用症例で有効であった.