抄録
本研究は,全国高速道路網の交通量推計を行うことを目的とした,利用者均衡配分に基づく交通量推計モデルを構築したものである.この交通量推計モデルは,ネスティッドロジットモデルによる構造とし,転換率計算の際の一般道路のログサム効用を簡易に推定する構造としている.また,地域による高速道路利用傾向の違いや料金割引の現況を反映させるとともに,経路選択肢集合設定方法について検討した.そして,高速道路交通量の現況再現精度から,構築した推計モデルの妥当性を評価した.更に,道路交通センサスが行われた平成22年度は,無料化社会実験が行われており,無料化された高速道路利用のODデータが得られたため,無料化高速に対応したモデルも合わせて構築した.