土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
宿泊観光旅行発生パターンの基本的特徴と経年変化
山口 裕通奥村 誠
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2016 年 72 巻 3 号 p. 248-260

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抄録

 我が国の宿泊観光旅行の発生パターンは,近年どのように変化してきたのだろうか?本研究では,旅行回数の分布に着目し,上述の疑問に答えるための分析方法を提案し,社会生活基本調査のデータを用いて,1991年から2011年までの経年変化を分析した.その結果,旅行回数分布の経年変化として,1) 一人当たりの旅行回数が減少してきたこと,2) まったく旅行しない人の構成比が増加し,旅行回数の個人差が拡大してきたことを明らかにした.さらに,この経年変化を年齢効果,世代効果,都道府県ごとの時代効果に分解することを通じて3) 一人当たりの旅行回数の減少は,高齢化と後年世代の旅行離れが原因であること,4) ゼロ回構成率の増加は,時代効果の影響があり,もともとゼロ回構成率が高かった地方部においてさらに増加してきたことを明らかにした.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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