土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
72 巻, 3 号
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和文論文
  • 羽鳥 剛史
    2016 年 72 巻 3 号 p. 231-247
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/20
    ジャーナル フリー
     自然災害による想定外の事態に適切に対処する上では,地域住民一人一人が想定を超える災害が起こり得ることを理解することが重要である.本研究では,災害想定を巡る認知バイアスとして,想定外の災害事象が過小評価される問題を取り上げ,洪水災害を対象としてそうした認知バイアスを緩和するためのハザードマップの提示方法について検討する.そこで,洪水ハザードマップの提示に加えて,その前提条件に関する内省機会を付加した内省機会付加型ハザードマップを提案し,愛媛県大洲市肱川周辺住民605名を対象として,本ハザードマップの効果を検証した.その結果,内省機会付加型ハザードマップを閲覧することにより,洪水災害に関わる想定外の事態に対する認識が向上し,災害想定に関わる認知バイアスが緩和される効果が確認された.
  • 山口 裕通, 奥村 誠
    2016 年 72 巻 3 号 p. 248-260
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/20
    ジャーナル フリー
     我が国の宿泊観光旅行の発生パターンは,近年どのように変化してきたのだろうか?本研究では,旅行回数の分布に着目し,上述の疑問に答えるための分析方法を提案し,社会生活基本調査のデータを用いて,1991年から2011年までの経年変化を分析した.その結果,旅行回数分布の経年変化として,1) 一人当たりの旅行回数が減少してきたこと,2) まったく旅行しない人の構成比が増加し,旅行回数の個人差が拡大してきたことを明らかにした.さらに,この経年変化を年齢効果,世代効果,都道府県ごとの時代効果に分解することを通じて3) 一人当たりの旅行回数の減少は,高齢化と後年世代の旅行離れが原因であること,4) ゼロ回構成率の増加は,時代効果の影響があり,もともとゼロ回構成率が高かった地方部においてさらに増加してきたことを明らかにした.
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