2016 年 72 巻 5 号 p. I_1029-I_1036
わが国では,子育てと仕事の両立支援や女性が出産・育児のしやすい環境づくりに向けた検討が順次進められているが,子ども連れ世帯は就業状況・世帯状況・子どもの発育状況により,外出活動そのものが多様化しており,移動負担要因についても明らかにされていない部分が多い.そのため,これらを支援する内容もより複雑化することが今後予測される.本研究は,保育園および幼稚園通園世帯におけるご両親にそれぞれアンケート調査を実施し,移動時の負担と行動意識,世帯状況等の子育て環境,立地状況の整理を行ったうえで,共分散構造分析を用いて移動負担要因との関係性を定量的に示した.また,移動支援策の利用要因を数量化II類を実施し,共分散構造分析から得られた結果と同等の要因が影響していることが明らかになった.