土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第33巻(特集)
巨大自然災害発生後の生存・生活環境変化に基づく地域のレジリエンス性評価
猪原 暁渡邉 啓太杉本 賢二加藤 博和林 良嗣
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2016 年 72 巻 5 号 p. I_283-I_291

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抄録

巨大自然災害に対する防災・減災施策を講じる上で,地域のレジリエンス性(抵抗力,回復力)に関する情報を整備することが重要である.本研究では,災害によって死亡・負傷していない住民を対象に,発災以降の生存・生活環境変化の動向を踏まえ,被災者のQOL(生活の質:Quality of Life)の低下量を用いて,地域のレジリエンス性を定量評価する手法を構築した.想定されている南海トラフ地震に適用した結果,内陸部ではQOLは早期に回復するが,甚大な津波被害を被る沿岸部ではQOLの回復は遅くなることが明らかとなった.また,東日本大震災で行われた「くしの歯作戦」の方針を基に想定した道路復旧シナリオにより,広域幹線道路周辺地域から支援が進み,QOL回復に重要な役割を果たすことを示した.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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