抄録
本研究では,時間帯ごとの交通運用対策に用いることが可能な時間帯別均衡配分の精度を向上させるものとして,時間変動係数に基づく観測交通量からの時間帯別OD交通量逆推定モデルの実用化研究を行った.先行研究で開発された基本モデルの精度や操作性をさらに向上するものとして,都市圏域内の詳細なゾーニング方法や都市圏域外の域外ODの逆推定などを段階的に適用する方法について開発した.これより,域外ODの逆推定をいくつかのゾーニングのもとで行った結果,特に大型車の精度向上を確認でき,域外ODの時間変動パターンも方向別に特徴のあるものが確認できた.次に域外ODを固定して域内の詳細なゾーニング方法を検討した結果,16変数の方向別モデルが全段階の逆推定を通して最も精度がよく,時間帯別変動パターンも良好な特徴を把握できた.