抄録
都市間交通ネットワークのより効率的な利用を検討するにあたっては,その適切な評価が不可欠である.交通ネットワークには,利用者利便性の向上や環境負荷の低減など相反する複数の社会的な要請があるため,複数の目標を同時に考慮可能な,数理最適化に基づくネットワーク評価を可能とする手法を開発した.
本研究では,日本全国の幹線旅客交通網を対象に,各区間の運行本数を決定変数として,多目的遺伝的アルゴリズムを用いて最適な運行本数の組み合わせを導出した.分析結果から,複数の交通モードで連携してサービス供給を行うことが,都市間交通ネットワーク全体の最適性のために効率的であること等が示唆された.